次世代型マンホール蓋に関する技術マニュアルの発刊

維持管理性および安全性を向上させた次世代型マンホール蓋および上部壁の計画、設計、施工および維持管理に係わる技術的事項について示すものとして2007年に「次世代型マンホールふたおよび上部壁技術マニュアル」((公財)下水道新技術推進機構)が発刊されました。 本マニュアルでは、マンホール蓋に求められる広義の安全性能8項目※1をもとに基本的要求性能を設定しています。

※1 マンホール蓋に求められる安全機能8項目とは、(社)日本下水道協会(現(公社)日本下水道協会)より発刊された「下水道用マンホール安全対策の手引き(案)」に記載されているマンホール蓋の安全性能項目。マンホール蓋は管路施設と道路環境の一部という二つの側面があるため、広範囲な安全上の配慮が必要になることから定められた。

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マンホール蓋に求められる安全性能

マンホール蓋に求められる安全性能は、人を対象としたものです。そのため、車道に設置されているマンホール蓋には、自動車や二輪車の運転者を対象とした安全性、歩道に設置されているマンホール蓋には、高齢者や車いすなどの歩行者を対象とした安全性が求められます。
また、マンホール蓋の設置時の安全性能(初期性能)は、設置してから耐用年数に至るまで安全性能(限界性能)が保たれたままでなければなりません。さらに、豪雨時などの状況の変化によって求められる性能も異なってきます。本マニュアルでは、各状態や時間の変化によって異なる要求性能を区分化し、それぞれ定量的に評価しています。

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耐スリップ性能

雨天時の路面環境においても、濡れたアスファルトと同等のすべり抵抗値を有し、蓋の上を安全に走行・通行できるための性能。

要求性能
初期性能 動摩擦係数:0.60以上
限界性能(耐用年数経過後) 動摩擦係数:0.45 以上

※濡れたアスファルトの動摩擦係数は0.45~0.60

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がたつき防止性

安全な車両通行を阻害する蓋のがたつき・飛散および周辺環境に影響を与えるがたつき騒音の発生を防止する性能。

要求性能
初期性能 蓋の両端に、蓋の呼び径および耐荷重仕様によって定まる所定の荷重を所定の載荷面積に加えた際の蓋揺動量が基準値以下であること
限界性能(耐用年数経過後) 輪荷重走行試験もしくは同等の促進試験において、限界状態を想定する規定回数までにがたつき音の発生、もしくは急激な揺動量の増加が無いこと

初期性能の測定方法(揺動量の測定)
限界性能の測定方法(輪荷重走行試験)

耐荷重強さ

繰返しの車両走行による荷重に耐えられる性能。経年時には腐食により1㎜減肉した状態においても耐力値を満足することを要求しています。

要求性能
初期性能 発生応力度 235N/mm2以上
限界性能(耐用年数経過後) 発生応力度 420N/mm2以上

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内圧安全性

大雨時に下水道管内の内圧が上昇する際、マンホール内の圧力によって蓋が解放できる性能。蓋が過剰に食い込んでいるとマンホール内の圧力が上昇し続け、その圧力による大きな衝動エネルギーで蓋や枠ごと飛散する危険性があるため、圧力によって容易に蓋が解放される必要があります。

要求性能
0.1Mpa以下でマンホール内の圧力を解放できる性能を有すること